実践ソリューションフェア2023

先日、大塚商会様主催の「実践ソリューションフェア2023」に行ってきました。
この展示会は、デジタル技術を応用して現場の生産性を上げることを目的としたDX(デジタルトランスフォーメーション)を主体としたものです。
今回は、展示品の中から気になったものをご紹介します。

現地測定技術

私たちの製品を納入する現場は、その建屋が古い場合も少なくありません。その為、現場の図面がない、或いは存在していても、実際の寸法や構造と異なる場合が多々あります。ですので、実際に現場に赴いてスケールなどで設置場所を測定しているのですが、測定者によって採寸の信頼性にバラつきが生じます。正確でなかったり、計測漏れがあったりするのですね。計測に慣れているベテラン社員が都度現場へ行くことができるならば問題はないのですが、出張コストや他の業務への影響を考えるとそれも難しいです。若手社員の採寸技能の向上は課題でした。

この課題を解決できるであろう製品を展示会で発見しました。3D360°レーザスキャナ、「Leica RTC360 / Leica BLK360」です。カメラが回転しながら周囲の配管・構造物などを測定し、3Dの点群データを取得するというものです。実際見てみるとかなりコンパクトで、現場に持って行くのにも支障がなさそうでした。

この3D点群データのままでは、扱いが難しいのですが、これを簡単にモデリングできるソフト「ClassNK-Peerless」もありました。会場では、技術担当の方が実際に3D点群データからモデリングするところを見せてくださいました。自動で配管を認識し、サイズ(150Aなど)も表記されていて、既設の配管に新設のものを接続する場合などに役立つだろうと感じました。
詳細はこちらのリンクからご覧下さい。
アルモニコス社 Class NK-Peerless製品ページ

拡張現実(AR)・複合現実(MR)

AR、MRと聞いてもなかなかピンとこないですよね。簡単に言うと、ARは現実の空間に架空の映像などを重ねる技術です。ポケモンGOやピクミンブルームなどのスマートフォンゲームでお馴染みですね。MRはARをさらに進化させたもので、現実の空間に3Dモデルなどの様々な情報を映し出し、近づいてみてみたり、手の動きに合わせて操作できたりします。昔のアニメで言えば、「電脳コイル」の世界に近いでしょうか?

さて、この技術がものづくりの現場でどう役立つのか、技術担当の方に訊いてみました。展示してあった製品は「REALWEAR Navigator500」と「Microsoft HoloLens2」です。これらの利点は主に3点。

  1. 手順書などを映し出し、両手作業しながら手順通りに作業ができる(音声で操作可能)
  2. 現場作業者の目線を現場にいない人とリアルタイムで共有でき、より明確な指示が可能
  3. 実際の空間に3Dモデルを投影し、現場の据付状況をシミュレートできる。導線の検討などが容易。

REALWEAR Navigator500
Microsoft HoloLens2

モデルは社長です。

まとめ

他にも色々ありましたが、この記事では紹介しきれません。
これらのデジタル技術によって、作業者の熟練度に左右されてしまう技術の平準化や省人化が可能だと感じました。少子高齢化が進む中、技術の平準化・省人化は多くの企業が抱えている大きな課題のひとつではないかと思っています。デジタル技術はこの課題を解決する糸口となるでしょう。

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